世の中には、”くせ毛にオススメ” ”くせ毛用”と謳っているシャンプーがたくさんありますよね。
しかし、使ってみても全然効果がない…そんな経験はありませんか?
筆者も、強烈な縮毛のため、何度も同じような経験をしてきましたが、現在ではくせ毛を活かしたヘアスタイルで過ごしています。

今回はくせ毛に悩む方向けに、くせ毛の原因に基づいた、くせ毛にオススメのシャンプー3選を縮毛当事者かつシャンプーソムリエの視点からご紹介いたします。
シャンプーで生まれつきのくせ毛は治せる?

生まれつきのくせ毛は、シャンプーやヘアケアでは治らないというのが一般的な見解です。
しかし、くせ毛の原因はひとつではないため、原因によっては改善できるものもあります。
生まれつきのくせ毛の原因
生まれつきのくせ毛には5つの原因があります。
- 毛穴の形状が歪んでいる
- シスチン結合のズレ
- 毛根が曲がっている
- ダメージによる乾燥
- 毛髪内部のタンパク質の分配が不均等
全て該当している人もいればどれかひとつだけの人もいますが、この中でシャンプーやヘアケアで改善できるのは、④と⑤のみとなります。
なぜなら、①②③は形や位置など物理的な事が原因なのに対し、④⑤は髪の毛を構成するタンパク質が原因だからです。
ダメージによる乾燥
一般的に、新しく生えてきた髪は傷んでおらず、生えてきてからダメージを受けることが多いと思います。
一方で、はじめから傷んだ髪の毛が生えてくる人もいます。(筆者はこのタイプです)
髪の毛は外側からキューティクル、コルテックス、メデュラの三層で構成されていますが、主成分はタンパク質です。
ダメージを受けた毛髪の断面は以下のように空洞化しており、このダメージホールから水分が流出してしまうと乾燥してチリチリしたり、広がったりします。

しかし、逆に考えるとその空洞さえ塞いでしまえば、保水力は取り戻せるということです。
つまり、その空洞にシャンプーなどのヘアケアアイテムでタンパク質を補給すれば、生まれつきのものであっても、乾燥によるチリチリしたりパサパサしたりするくせ毛は改善することができます。
一般的にくせ毛が嫌われる最大の原因は、質感の悪さや広がりだと思いますので、乾燥さえ克服できればくせ毛を活かすことも夢ではありません。
毛髪はまだ解明されていないことも多いですが、生まれつきの縮毛や捻転毛などは、生えてくる前の成長過程でダメージが与えられ、生えてきたときには既に傷んで乾燥しているものと推測されます。
毛髪内部のタンパク質の分配が不均等
髪の毛の成分はタンパク質ですが、一番割合を多く占めているコルテックスを更に分解すると、二種類のタンパク質で構成されています。
ひとつは、水分を吸収しやすいオルトコルテックス、もうひとつは、水分を吸収しにくいパラコルテックスです。

直毛の人は、これがバランスよく分配されているため、水分を吸収する力と弾く力が均等になり、形を保つことができますが、分配がアンバランスだと、それぞれの力に偏りが生じるため、髪がうねります。
アンバランスになる原因に関してもまだはっきり解明されていませんが、毛髪は痛むと水分を吸収しやすくなるため、傷んだ髪はうねりが生じやすいと推測できます。
つまり、シャンプーなどのヘアケアアイテムでタンパク質を補給し、ダメージを補修することで、こちらも改善することが可能です。
シャンプーだけでは改善しないこともある
ダメージが比較的軽めの方であれば、シャンプーを変えただけで髪がまとまるようになったり、うねりが治る方もいます。
一方で、ダメージが進行している場合は、シャンプーを変えただけでは十分な効果を得ないことが多いです。
なぜなら、シャンプーはトリートメントに比べて水分が多いアイテムですので、成分を浸透させて髪に潤いを与えることは得意でも、水分を蒸発させないと言う意味での保湿は苦手なためです。
シャンプーで潤いを与えても、キューティクルが損傷していると、自然に保湿できる力がほとんどありませんので、適切な保湿ケア、乾かし方をしなければ、せっかく補給したヘアケア成分や水分が蒸発してしまいます。
あくまでシャンプーのできることはコルテックスのダメージを補修して潤いを与える、髪の土台作りです。
その効果を十分発揮させるには、キューティクルの補修と、ダメージレベルに合わせた保湿ケアが必要と心得ておきましょう。
くせ毛にオススメのシャンプー3選
毛髪の主成分はタンパク質ですが、タンパク質はアミノ酸でできています。
つまり、アミノ酸を補給すれば、ダメージが補修され、保水力が高まり、髪は潤いを取り戻すことができるのです。
というわけで、くせ毛にオススメのアミノ酸系シャンプーをご紹介します。
THERATIS (セラティス) ナイトリペア シャンプー(市販)
水、ラウロイルメチルアラニンNa、ラウラミドプロピルベタイン、コカミドプロピルベタイン、コカミドメチルMEA、ココイルメチルタウリンNa、水溶性コラーゲン、セラミドNG、セラミドAP、加水分解乳タンパク、加水分解ケラチン(羊毛)、月見草油、加水分解ヒアルロン酸、パンテノール、ケラチン(羊毛)、加水分解シルク、加水分解ハトムギ種子、γ−ドコサラクトン、加水分解コンキオリン、ホップエキス、ラベンダー花エキス、ホホバ油グリセレス−8エステルズ、アルギニン、アラビアゴム、ジステアリルジモニウムクロリド、ラウラミドプロピルヒドロキシスルタイン、ポリクオタニウム−10、ココイルグルタミン酸Na、コカミドMEA、ココイルグルタミン酸TEA、ココイルグルタミン酸2Na、ミリスチルベタイン、クエン酸、EDTA−2Na、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、塩化Na、水酸化K、メトキシジケイヒ酸エチルヘキシル安息香酸Na、イソプロパノール、セバシン酸ジエチル、コレステロール(羊毛)、フェノキシエタノール、PG、香料、BG、PPG−7
価格 | 1,540円 |
容量 | 435mL |
1mlあたり | 4円 |
洗浄力 | 中 |
ダメージレベル | 低~中程度向け |
アミノ酸系界面活性剤である、ラウロイルメチルアラニンNaをベースに、そのほか使われている界面活性剤も低刺激なもので構成されています。
また、加水分解ケラチン、ヒアルロン酸、シルクなどの潤い成分、CMC(脂質)成分であるセラミドがバランスよく配合されており、市販では最高レベルのクオリティです。
ただし、市販のシャンプーですので、潤い成分の濃度は期待できません。
ハイダメージ毛には物足りないものと思われますが、多少広がる程度の方には十分効果を発揮するでしょう。
アマトラ クゥオ ヘアバス H シャンプー
水、ラウロイルメチルアラニンNa、コカミドプロピルベタイン、コカミドDEA、BG、ヘマチン、フムスエキス、ココイル加水分解ケラチンK(羊毛)、ココイルリンゴアミノ酸Na、ココイル加水分解コラーゲンK、スクワラン、グリコシルトレハロース、ホホバ種子油、アルギニン、アスパラギン酸、グリシン、アラニン、セリン、バリン、プロリン、トレオニン、イソロイシン、ヒスチジン、フェニルアラニン、トコフェロール、PCA、PCA-Na、ベタイン、PEG-15ココポリアミン、ポリクオタニウム-10、エチルヘキシルグリセリン、ヒドロキシアセトフェノン、加水分解水添デンプン、PG-ヒドロキシエチルセルロースココジモニウムクロリド、ベヘネス-30、エチルヘキサン酸セチル、PEG-60水添ヒマシ油、ステアロキシプロピルトリモニウムクロリド、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、ベヘン酸、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビス(ベヘニル/イソステアリル/フィトステリル)、ラウロイルグルタミン酸ジ(コレステリル/オクチルドデシル)、セタノール、乳酸Na、フェノキシエタノール、グリセリン、ステアリルアルコール、エタノール、クエン酸、クエン酸Na、イザヨイバラエキス、オウゴン根エキス、ベルガモット果実油、香料
価格 | |
容量 | 375ml |
1mlあたり | |
洗浄力 | 中 |
ダメージレベル | 中~ハイダメージ向け |
こちらも、アミノ酸系界面活性剤である、ラウロイルメチルアラニンNaをベースに、そのほか使われている界面活性剤も低刺激かつ高保水なもので構成されています。
また、このシャンプーの最大の特徴としては、ヘマチンとフムスエキス(フルボ酸)が上位配合されていることです。
ヘマチンは、毛髪のダメージ補修のほか、毛髪内のアルカリ除去、白髪予防などにも効果があり、フムスエキスには、頭皮のターンオーバーを促進する効果があります。
また、アミノ酸などの潤い成分も豊富に配合されており、ヘアケアとしても頭皮ケアとしても申し分ないクオリティです。
BYKARTE バイカルテ リペアシャンプー CH+
水、グリセリン、ラウロイル加水分解シルクNa、ココイルメチルタウリンNa、ラウラミドプロピルベタイン、ココイル加水分解ケラチンK(羊毛)、コカミドプロピルベタイン、PEG-3ラウラミド、セテアレス-60ミリスチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、アルギニン、酒石酸、EDTA-2Na、安息香 酸Na、酸化銀、フィチン酸、フェノキシエタノール、ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-73、メ チルパラベン、ヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリル、香料
価格 | 4,180円 |
容量 | 280mL |
1mlあたり | 14.92円 |
洗浄力 | 弱 |
ダメージ | ハイダメージ向け |
PPT系界面活性剤である、ラウロイル加水分解シルクNaをベースに、そのほか使われている界面活性剤も低刺激かつ高保水なもので構成されている上、界面活性剤よりも保湿剤であるグリセリンの方が多く配合されており、もはや美容液と言っても過言ではないレベルです。
PPT系界面活性剤は、アミノ酸系界面活性剤よりも更に上質で、極めて保水力が高く、毛髪のダメージに効果的に作用するため、高級シャンプーの主成分としてしばしば使われます。
一方で、洗浄力はかなり弱いため、脂性肌の方には向きません。
ハイダメージかつ乾燥肌の方、ワンランク上のヘアケアをしたい方にオススメです。
まとめ
シャンプーを変えるだけで、くせ毛が治ることは少ないです。
しかし、シャンプーで髪に潤いを与えることがヘアケアの第一ステップとなります。
まずは、適切なシャンプー選びで美髪の土台作りを始めましょう。